このHPの「教養のひろば」に素敵な記事を書いてくださった、川村学園女子大学名誉教授の佐藤先生。
ご存じの方も多いと思いますが、佐藤先生はマルグリット・デュラスをご専門とするフランス文学の研究者で、国際英語学科在職中はフランス語やフランス文化の授業を担当されていました。
ご退職後、2016年8月から2017年11月までパリ2区のレオミュール通りに面したアパルトマンで暮らし、その経験をもとに『レオミュール通りの日々 定年後、パリに暮らして』(パド・ウィメンズ・オフィス,2019年)を出版されております。
早速、旅する気分で本を手にしてみましたので、ご紹介します。

パリの街角で始まる新たな日々
定年後の人生をどう過ごすか——そんな問いに対する一つの答えが、この本には詰まっています。パリのレオミュール通りに住み、日々の出来事を丁寧に記録されていて、ページをめくるたびに、あたかもパリにいるような錯覚に。街の雰囲気、住民との交流、そして文化に触れる喜びが、まるで自分がパリにいるかのように感じられ、ワクワクします。
フランス流の暮らしと人間関係
本書の魅力のひとつは、フランス人との関わりの中で見えてくる文化の違いです。家主とのやり取りに見られるフランス人の独特な価値観や、図書館での交流から生まれる友情など、異文化の中での人間関係の機微が興味深く描かれています。短い旅ではわからない、異国の人々、生活するからこそ見えてくるつながりがあるののだと知ることができます。
パリの空気を感じる一冊
本書は、単なる旅行記ではなく、パリでの「暮らし」を描いた作品です。先生が撮影した写真も豊富に掲載されており、視覚的にも楽しめる構成になっています。卒業生が訪ねていらした際の写真もあります。先生がどんなに学生さんに慕われ、影響を与えていたかがわかる一枚です。
読み進めると、パリの街角を歩いているような気分になれるのが楽しく、諸事情あり、海外に出向けない方でも、旅している気分を存分に味わうことができます。そして、何よりも人生後半の生き方、定年後の新しい可能性を感じさせてくれます。
いまは「人生100年時代」です。
長い人生悔いないように、
「あなたなら定年後、
どこでどんなふうに暮らしたいですか?」
そんなことを考えるきっかけにもなる一冊です。
ご興味ある方はアマゾンで購入可:https://x.gd/XoAtM
